A-ASD(成人期ASD検査)とは?

A-ASD(成人期ASD検査)はDSM-5に準拠した、成人ASD(自閉スペクトラム症)をスクリーニングするための自己記入式の質問票です。

A-ASDを開発したのは誰ですか?

精神科医の福西 勇男 先生によって開発されました。

どのようなことを質問するのか?

質問項目は、男性は計35項目、女性は計38項目です。

ASDの代表的な2つの障がい特性である、「社会的コミュニケーション及び相互関係における持続的障がい」と「限定された反復する様式の行動、興味、活動」に関連した20項目、これらに加えASDにみられやすい二次障害に関する9項目、ADHDなどのASDに併発しやすい神経発達障害に関する6項目について質問します。

採点方法

各項目の質問に対し以下の4段階で回答します。

・あまりない

・ときどき

・しばしば

・いつも

各項目について

・あまりない:1点

・ときどき:2点

・しばしば:3点

・いつも:4点

の4段階で評価します。

男性では、ASD評価項目の20項目の合計点は20~80点になります。

女性では、ASD評価項目の23項目の合計点は23~92点になります。

A-ASDの結果の見方

男性では、カットオフは51点で、51点以上だとASDの可能性があります。

女性では、カットオフは58点で、58点以上だとASDの可能性があります。

              ・

質問24から32は二次障害の質問となっており、

男女共通で、カットオフ23点で、23点以上なら、問題ありとされます。

              ・

質問33から38は他の発達障害の合併に対する質問で、

カットオフはなく、点数が高いほど合併の可能性が高いと考えられます。

              ・

自己記入式検査ですが、検査者が「知的な障害」、「言語の障害」の2項目を特記できるになっています。

A-ASDで陽性ならASDなのか?

A-ASDで陽性となっても、必ずしもASDとは限りません。例えば、

・うつ病

・不安症

・社交不安症

・パーソナリティ症

などでも、ASDに似た症状がみられることがあります。

A-ASDの限界

① 自己記入式のため、回答バイアス(自己認識、状況、気分)の影響をうけます。

② ASD以外でも高得点になることがあります。

③ A-ASDだけでは、診断はできません。

A-ASDは、あくまでスクリーニングのための検査です。

診断には、

・発達歴の確認

・大学や職場での様子

・家族からの情報

・現在の症状評価

・医師による診察

などを総合的に判断する必要があります。

まとめ

A-ASDは、成人ASDをスクリーニングするための自己記入式の質問票です。

短時間で簡便にASDの主要障がい特性と二次障害をスクリーニングできる形式になっています。

ただし、あくまでスクリーニングのため、確定診断には、より詳細な検査や診察が必要となります。

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執筆者

院長 宮本 浩司(みやもと こうじ)

院長 宮本浩司

川崎市・溝の口の心療内科・精神科
高津心音メンタルクリニック
・ 精神保健指定医
・ 日本精神神経学会認定専門医・指導医