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044-455-7500WURS(Wender Utah Rating Scale:ウェンダー・ユタ評価尺度)は、成人ADHD(注意欠如・多動症)の診断を補助するために開発された自己記入式の質問票です。
成人になってからADHDが疑われる場合、診断のためには「現在ADHDの症状があること」だけでなく、「子どもの頃から症状が続いていたこと」を確認する必要があります。
WURSは、子どもの頃の自分を振り返りながら回答することで、幼少期のADHD症状の有無を評価するための検査です。
ADHDは発達障害の一つであり、子どもの頃から症状が存在していることが特徴です。
そのため成人ADHDの診断では、
の両方を確認する必要があります。
しかし実際には、
といったケースも少なくありません。 そのような場合に、本人に6~12歳頃の様子を振り返ってもらうための補助的な評価尺度としてWURSが利用されています。
WURSは、精神科医のPaul H. Wenderらによって開発されました 1)。
ADHD研究で有名なユタ大学(University of Utah)のグループによって作成されたため、「ユタ評価尺度」と呼ばれています。
もともとのWURSは61項目(WURS-61)で構成されていました。
その後、ADHDの人とそうでない人を最も正確に区別できる25項目が抽出され、現在広く使用されているWURS-25が作成されました。
現在の臨床現場では、ほとんどの場合WURS-25が使用されています。
研究では、WURS-25は感度91%、特異度92%で成人ADHDを識別できることが報告されています 2)。
WURSでは、子どもの頃について次のような特徴を評価します。
また、現在のADHD診断基準には含まれていない、
なども評価します。
そのため、WURSは単なる「不注意」や「多動」だけでなく、子どもの頃の生活全体を振り返ることができる尺度といえます。
各項目について、
の5段階で評価します。
25項目の合計点は0~100点になります。
一般的には46点以上がカットオフとして用いられています。
研究では、
を正しく判別できたと報告されています。
ただし、この点数だけでADHDと診断することはできません。
あくまで「ADHDの可能性があるかどうか」を判断するための参考資料です。
成人ADHDの評価では、WURSとASRSがよく併用されます。
WURS
子どもの頃のADHD症状を評価する
ASRS
現在のADHD症状を評価する
つまり、
と考えるのがわかりやすいといえます。
両者を併用することで、より識別性が高まることがわかっています 3)、(図1)。
図1

大人が子どもの頃を思い出して回答するため、
が影響することがあります。
これを「回想バイアス」と呼びます。
WURSの得点はADHDだけで高くなるわけではありません。
例えば、
などでも高得点になることがあります。
WURSはあくまでスクリーニングや診断補助のための検査です。
診断には、
などを総合的に判断する必要があります。
WURS(ウェンダー・ユタ評価尺度)は、成人ADHDの診断を補助するために、子どもの頃のADHD症状を振り返って評価する質問票です。
成人ADHDの診断では、現在の症状だけでなく幼少期からの症状の存在を確認することが重要です。WURSはその確認を助ける有用な検査ですが、単独で診断を行うことはできません。
気になる症状がある場合は、精神科・心療内科・発達障害外来などで専門的な評価を受けることをおすすめします。

