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044-455-7500CAARS(Conners’ Adult ADHD Rating Scales:コナーズ成人ADHD評価尺度)は、成人のADHD(注意欠如・多動症)の症状を詳しく評価するための質問票です。
成人ADHD研究の第一人者であるC. Keith Conners(C・キース・コナーズ)らによって開発され、現在では世界中の精神科や心療内科、発達障害専門外来、研究機関などで広く使用されています。
ASRS(Adult ADHD Self-Report Scale)が「ADHDの可能性があるか」を調べるスクリーニング検査であるのに対し、CAARSは症状の重症度や特徴をより詳しく評価することを目的としています。
そのため、診断の参考だけでなく、治療前後の症状の変化や治療効果の評価にも用いられています。
CAARSでは、成人ADHDにみられる次のような特徴を総合的に評価します。
DSMの診断基準だけでは十分に評価しきれない、成人特有の症状や日常生活への影響まで把握できることが大きな特徴です。
CAARSには複数の版があります。
66項目で構成されており、最も詳しく症状を評価できます。
日本語版として利用できるのは、この通常版です。
26項目で構成され、海外では外来診療や研究で広く利用されています。
本人が自分の症状について回答します。
配偶者や家族など、本人をよく知る人が回答します。
本人の自己評価と周囲の評価を比較できることもCAARSの特徴です。
CAARSでは、以下のような領域を評価します。
例えば、
などを評価します。
例えば、
などを評価します。
成人では特に問題となりやすい
についても詳しく評価します
成人では子どものように走り回ることは少なくなりますが、
といった「内面的な多動性」を評価します
成人ADHDでは、
といった情緒面の問題も少なくありません。
CAARSでは、このような特徴についても評価します。
成人ADHDでは、
ことが多いため、自己概念も重要な評価項目です。
各項目について、
の4段階で回答します。
回答結果は年齢や性別を考慮してTスコアへ換算されます。
Tスコアとは、
となるよう標準化された得点です。
一般的には、
| Tスコア | 評価 |
|---|---|
| 45~55 | 平均的 |
| 56~60 | 平均よりやや高い |
| 61~65 | 平均より高い |
| 66~70 | かなり高い |
| 71以上 | 非常に高い |
と解釈されます。
一般的には65点以上になると、臨床的に意味のある症状である可能性が高いと考えられます。
DSM-Ⅳ 総合ADHD症状のTスコアが44未満、DSM-Ⅳ 不注意型症状のTスコアが54未満だとADHDを否定できると報告されています1)。
ASRSが「ADHDの可能性」を調べる入口の検査であるのに対し、CAARSは症状の特徴や重症度を詳しく把握するための検査といえます。
| ASRS | CAARS | |
|---|---|---|
| 目的 | ADHDのスクリーニング | 症状の詳細な評価 |
| 質問数 | 18項目 | 66項目(日本語版) |
| DSM症状 | 評価する | 評価する |
| 情緒面 | ほとんど評価しない | 詳しく評価する |
| 自己概念 | 評価しない | 評価する |
| 他者評価 | なし | あり |
| 治療効果判定 | 限定的 | 可能 |
CAARSには次のような利点があります。
CAARSはADHDの診断を補助する検査であり、CAARS単独でADHDを診断することはできません。
診断には、
などを総合的に評価する必要があります。
次のような疾患でも高得点となることがあります。
そのため、結果は慎重に解釈する必要があります。
CAARSは自己記入式質問票であるため、
可能性があります。
より客観的な評価を行うためには、家族などによる観察者評価を併用することが望ましい場合があります。
CAARS(コナーズ成人ADHD評価尺度)は、成人ADHDの症状を詳しく評価するための質問票です。
ASRSがスクリーニングを目的とするのに対し、CAARSは不注意、多動性、衝動性だけでなく、情緒面や自己概念など成人特有の特徴まで詳しく評価できます。
一方で、CAARSはあくまでも評価尺度であり、ADHDの診断そのものを行う検査ではありません。
診断には発達歴や臨床面接などを含めた総合的な評価が必要です。CAARSは、診断の補助や症状の重症度評価、治療効果の確認などに有用な検査として、現在も世界中で広く利用されています。
