抗うつ薬による体重変化 最新の比較

2024年8月、抗うつ薬による体重変化の最新の研究が報告されました1)。

研究では、セルトラリンを基準とした際の、以下8剤の体重変化が比較されました。

内服開始6カ月後の体重変化の結果は、以下の結果でした(図1)。

  • シタロプラム:+0.12kg
  • エスシタロプラム:+0.41kg
  • フルオキセチン:-0.07kg
  • パロキセチン:+0.37kg
  • ブプロピオン:-0.22kg
  • デュロキセチン:+0.34kg
  • ベンラファキシン:+0.17kg

図1 セルトラリンを基準とした際の各抗うつ薬の体重変化(6カ月後)

エスシタロプラム、パロキセチン、デュロキセチンを内服している患者さんは、セルトラリンを内服している患者よりも0.3~0.4kg多く体重が増加し、もともとの体重より少なくとも5%体重が増加する可能性が、10%~15%高くなる結果でした。

以上の結果を踏まえ、著者らは、特に肥満とうつが関連している際の、抗うつ薬の医師と患者間での決定では、これらの違いが考慮されうると述べています。

ただし、例えばエスシタロプラムはうつ病パニック症PMDD等への有効性と忍容性が良好な薬剤です2)~4)。

50kgのベース体重が2.5kg増加するリスクがあっても食事と運動で十分減量可能であり、疾患対象への有効性と忍容性も十分考慮されるべきと考えられます。

参考

  • 1) Petimar et al.: Medication-Induced Weight Change Across Common Antidepressant Treatments: A Target Trial Emulation Study. Ann Intern Med, 177: 993-1003, 2024.
  • 2) Cipriani A, et al.: Comparative efficacy and acceptability of 21 antidepressant drugs for the acute treatment of adults with major depressive disorder: a systematic review and network meta-analysis. Lancet, 391: 1357-1366, 2018.
  • 3) Chawla N, et al.: Drug treatment for panic disorder with or without agoraphobia: systematic review and network meta-analysis of randomised controlled trials. BMJ, 376: e066084, 2022.
  • 4) Jespersen C, et al.: Selective serotonin reuptake inhibitors for premenstrual syndrome and premenstrual dysphoric disorder. Cochrane Database Syst Rev, 8: CD001396, 2024.

執筆者

院長 宮本 浩司(みやもと こうじ)

院長 宮本浩司

川崎市・溝の口の心療内科・精神科
高津心音メンタルクリニック
・ 精神保健指定医
・ 日本精神神経学会認定専門医・指導医