作用・特徴
女神散(ニョシンサン)は産前産後の神経症や月経不順に使用されます(図1)。
図1 女神散の効果
女神散はもともと、戦場の兵士に使用されていました。
その後、幕末の漢方医、浅田宗伯により女性の血の道症にも効果があることから、女神散と名付けられました
女神散は、産前産後の神経症、月経不順とともに更年期障害にも有効とされています。
女神散は、動物モデルで海馬のセロトニン増加が示唆されており1)、この経路を介して産前産後の神経症を改善すると考えられています。
また、エストロゲンの活性化作用を有することが報告されており2)、この経路を介して更年期障害を改善すると考えられています(図2)。
図2 女神散の産前産後神経症・更年期障害改善のメカニズム
使用目標(証)は、体力中等度あるいはそれ以上の人で、のぼせとめまいがあり、不安、動悸、精神不安、不眠、頭痛などの精神神経症状がある場合に用いる。
- 1)慢性で多彩な症状を訴える場合
- 2)性周期に伴ってあるいは産前産後に症状を訴える場合
とされています。
図3 女神散の東洋医学的使用目標
女神散は以下の生薬から構成されています(図5)。
- 香附子(コウブシ)
- 川芎(センキュウ)
- 蒼朮(ソウジュツ)
- 当帰(トウキ)
- 黄芩(オウゴン)
- 桂皮(ケイヒ)
- 人参(ニンジン)
- 檳椰子(ビンロウジ)
- 黄連(オウレン)
- 甘草(カンゾウ)
- 丁子(チョウジ)
- 木香(モッコウ)
図4 女神散の構成生薬
剤型
医薬品のツムラの漢方薬(67番)は1包顆粒2.5gとなっています(図5)。
図5 女神散の剤型(ツムラ医療用)
効能・効果
効能・効果は以下となっています。
のぼせとめまいのあるものの次の諸症:
用法・用量[ツムラ女神散(医療用)]
通常、成人1日7.5gを2~3回に分割し、食前又は食間に内服する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減するとなっています。
副作用
頻度は不明ながら以下が挙げられています。
重大な副作用
その他の副作用
- 過敏症:発疹、発赤、瘙痒、蕁麻疹等
- 消化器:食欲不振、胃部不快感、悪心、下痢等
文献
- 1) 進藤 広太郎, 他.: 卵巣摘出マウスによる行動量の低下に対する女神散の効果. 第92回日本薬理学会年会. 2019.
- 2) Wang Z, et al.: The in vitro estrogenic activity of the crude drugs found in Japanese herbal medicines prescribed for menopausal syndrome was enhanced by combining them. BMC Complement Altern Med, 18: 107, 2018.