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044-455-7500MOCI(Maudsley Obsessional Compulsive Inventory:モーズレイ強迫症状質問票)は、強迫性障害(OCD)の症状や強迫傾向を評価するための自己記入式質問票です。
1977年にStanley RachmanとRay Hodgsonによって開発されました。
日本では、吉田 充孝 先生らが日本語版(MOCI邦訳版)を作成し、その信頼性・妥当性を検証しています。
MOCIは、強迫性障害でみられる代表的な症状である
・洗浄・汚染へのこだわり
・確認行為
・疑い深さ
・強迫的な反復行動
などの程度を評価します。
症状の重症度を簡便に把握できるため、臨床だけでなく研究でも広く使用されてきました。
質問数は30項目で、すべて「はい」または「いいえ」の2択で回答します。
そのため、5~10分程度で実施できます。
MOCIでは主に4つの症状領域を評価します。
例えば
・戸締まりを何度も確認する
・ガス栓を何度も確認する
・ミスを何度も確認する
など
例えば
・汚染を過度に気にする
・手洗いを繰り返す
・汚れが気になる
など
例えば
・行動に時間がかかる
・儀式的な行動で生活が遅くなる
など
例えば
・「本当に大丈夫だろうか」と繰り返し不安になる
・決断に時間がかかる
など
各質問について
・はい
・いいえ
で回答します。
強迫症状を示す回答を1点、それ以外を0点として採点します。
総得点は、0~30点になります。
得点が高いほど、強迫症状が強いことを意味します。
日本語版の検討では、13点以上をカットオフとした場合、
・感度:100%
・特異度:100%
で強迫性障害患者と対照群を識別できたと報告されています。
ただし、この結果は比較的小規模な研究によるものであり、13点以上だから強迫性障害と診断できるわけではありません。
日本語版MOCIでは、
・内的一貫性(Cronbach’s α)は各下位尺度で0.70以上
・再検査信頼性も良好
であり、信頼性・妥当性の高い質問票であることが示されています。
・30項目と短時間で実施できる
・「はい・いいえ」のみで回答しやすい
・強迫症状を簡便に評価できる
・世界中で長年使用されている
MOCIは、
・強迫観念
・強迫行為
のすべてを十分に評価できるわけではありません。
例えば、
・不完全感
・加害恐怖
・ため込み
などは十分に反映されません。
「はい・いいえ」の2択であるため、症状の程度を細かく評価することはできません。

MOCI邦訳版は、強迫性障害の症状を簡便に評価する30項目の自己記入式質問票です。「はい・いいえ」で回答できるため実施しやすく、確認行為や洗浄行為などの代表的な強迫症状を評価できます。
一方で、MOCIだけで強迫性障害を診断することはできません。
現在では、症状の多様性や重症度をより詳しく評価できるOCI-Rや、面接式評価尺度であるY-BOCSが広く用いられています。
MOCIは現在でもスクリーニングや研究目的で有用な尺度ですが、診断や治療方針の決定には臨床面接や他の評価尺度とあわせて総合的に判断することが重要です。
強迫症状があり、MOCIが13点以上であれば、早めに心療内科・精神科で相談することをおすすめします。
吉田 充孝, 他.: 強迫性障害に対するMaudsley Obsessional Compulsive Inventory(MOCI)邦訳版の有用性について. 精神医学, 37: 291-296, 1995.
