双極症維持療法に適した薬剤とその用量は何か?
双極症(双極性障害・躁うつ病)では、すでに維持療法における、有効性の薬性を比較した研究は発表されていました。
しかし、従来の研究は、用量については検討されていなかったことと、年齢については、小児・成人と区別されて発表されていました。
2026年4月、Fornaroらは、双極症維持療法における薬剤の有効性と忍容性、及びその用量についての比較を行い、発表しました1)。
今回の研究では以下の順で有効性が認められる結果でした(図1)。
- クエチアピン 550mg/日
- カルバマゼピン 650mg/日
- アリピプラゾール 30mg+ラモトリギン 200mg/日
- リスペリドン持効性注射剤 25mg/2週間
- アリピプラゾール持効性注射剤 400mg/4週間
- オランザピン 20mg/日
- バルプロ酸Na 71~125 μg(血中濃度)
- カルバマゼピン 400mg/日
- ルラシドン 80mg/日
- 炭酸リチウム 800mg/日
- クエチアピン 300mg/日
- アリピプラゾール 20mg/日
- アセナピン 20mg/日
図1
忍容性は以下の4剤がプラセボより優れていました(図2)。
- カルバマゼピン 650mg
- アセナピン 20mg
- リスペリドン持効性注射剤 25mg
- ラモトリギン 200mg/日
図2
今回の結果から筆者らは、考察でクエチアピンが、維持療法における効果的な治療法と述べています。
また、カルバマゼピンが忍容性が優れている点についても述べています。
躁状態で治療開始するか、うつ状態で治療開始するかで初期の薬剤選択が異なることがありますが、今回の研究は初期治療にどの薬剤を用いるかの参考にもなるといえます。
文献
- Fornaro M, et al.: Efficacy and safety of pharmacological interventions for the maintenance of bipolar disorder: A systematic review and dose-related network meta-analysis across different age groups. J Affect Disord, 407:121798, 2026.