作用・特徴
潤腸湯(ジュンチョウトウ)は便秘の治療に使用されます(図1)。
図1 潤腸湯の効果
潤腸湯は、ヒト嚢胞性線維症膜貫通コンダクタンスレギュレーター(CFTR)の活性化を通じて、腸内の水分分泌を促進することが報告されています1)、(図2)。
図2 潤腸湯の便秘改善の作用機序
名称通り、腸を潤す薬と言えます。
潤腸湯の構成生薬の1つの、大黄の成分であるエモジンは、マウスモデルの統合失調症症状を改善することが報告されています2)。
また、マウスモデルの不安とうつ症状を改善することも示されています2)。
不安の治療に使用される、半夏厚朴湯の構成生薬の1つの厚朴も含んでいます。
厚朴の成分のホノキオールは、抗不安作用を有するとされています3)。
これらから、精神面も考慮した便秘治療薬として、精神科、心療内科では、大建中湯と並び多く使用されます。
使用目標(証)は、体力中等度あるいはやや低下した人の弛緩性または痙攣性便秘に用いる。
- 1)老人あるいは胃腸機能の低下した人の便秘
- 2)皮膚枯燥、腹壁弛緩し糞塊が触知される場合
図3 潤腸湯の東洋医学的使用目標
潤腸湯は以下の生薬から構成されています(図4)。
- 地黄(ジオウ)
- 当帰(トウキ)
- 黄芩(オウゴン)
- 枳実(キジツ)
- 杏仁(キョウニン)
- 厚朴(コウボク)
- 大黄(ダイオウ)
- 桃仁(トウニン)
- 麻子仁(マシニン)
- 甘草(カンゾウ)
図4 潤腸湯の構成生薬
剤型
医薬品のツムラの漢方薬(51番)は1包顆粒2.5gとなっています(図5)。
図5 潤腸湯の剤型(ツムラ医療用)
効能・効果
効能・効果は以下となっています。
用法・用量[ツムラ潤腸湯(医療用)]
通常、成人1日7.5gを2~3回に分割し、食前又は食間に内服する。
なお、年齢、体重、症状により適宜増減するとなっています。
副作用
頻度は不明ながら以下が挙げられています。
重大な副作用
- 間質性肺炎
- 偽アルドステロン症
- ミオパチー
- 肝機能障害、黄疸
その他の副作用
消化器:食欲不振、胃部不快感、悪心、嘔吐、腹痛、下痢等
参考
- 1) Numata T, et al.: Cellular mechanism for herbal medicine Junchoto to facilitate intestinal Cl-/water secretion that involves cAMP-dependent activation of CFTR.
- 2) Mitra S, et al.: Exploring the journey of emodin as a potential neuroprotective agent: Novel therapeutic insights with molecular mechanism of action. Biomed Pharmacother, 149:112877, 2022.
- 3) Kuribara H, et al.: The anxiolytic effect of two oriental herbal drugs in Japan attributed to honokiol from magnolia bark. J Pharm Pharmacol, 52: 1425-9, 2000.