麦門冬湯(バクモンドウトウ)の効果・作用・副作用

2024.11.28

作用・特徴

麦門冬湯は痰のきれにくい咳、気管支炎などに使用されます(図1)。

図1 麦門冬湯の効果

一般的なかぜ症状の後に咳が残り長引く場合などにも、効果的です。

頑固な咳が生じている場合に、西洋医学的な処方に追加して処方されることもあります。

マイコプラズマ感染による咳にも有効性が報告されています1)。

かぜ症候群後の遷延する咳に対し、デキストロメトルファン(メジコン)と効果を比較した試験では、麦門冬湯の方が早く症状が改善した報告がなされています2)、(図2)。

図2 かぜ症候群後咳嗽への麦門冬湯の効果 vs メジコン

使用目標(証)は、体力中等度もしくはそれ以下の人の激しい咳嗽で、発作性に咳が頻発して顔面紅潮する場合に用います。

  • 1)粘稠で切れにくい痰を伴う場合
  • 2)咽喉の乾燥感や違和感のある場合
  • 3)上記症状を伴う老人の咳嗽

とされています。

図3 麦門冬湯の東洋医学的使用目標

麦門冬湯は、主成分の麦門冬に含まれるオフィオポゴニンが、咳を誘発する神経の興奮を抑制すると考えられています。

また、気道の炎症を抑制し、去痰作用や滋潤作用が加わることで、相互的に咳の改善につながるとされています3)、(図4)。

図4 麦門冬湯の作用機序

麦門冬湯は以下の生薬から構成されています(図5)。

  • 麦門冬
  • 粳米
  • 半夏
  • 大棗
  • 甘草
  • 人参

図5 麦門冬湯の構成生薬

剤型

医薬品のツムラの漢方薬(29番)は1包顆粒3.0gとなっています(図6)。

図6 麦門冬湯の剤型(ツムラ医療用)

効能・効果

効能・効果は以下となっています。

  • 痰の切れにくい咳
  • 気管支炎
  • 気管支ぜんそく

用法・用量[ツムラ麦門冬湯(医療用)]

通常、成人1日9.0gを2~3回に分割し、食前又は食間に内服します。

なお、年齢、体重、症状により適宜増減するとなっています。

副作用

頻度は不明ながら以下が挙げられています。

重大な副作用

  • 間質性肺炎
  • 偽アルドステロン症
  • ミオパチー
  • 肝機能障害、黄疸

その他の副作用

  • 発疹
  • 蕁麻疹

参考

  • 1) 渡邉 直人, 他.: マイコプラズマ感染症の咳嗽に対する麦門冬湯の有効性に関する検討. 漢方医学, 41: 116-8, 2017.
  • 2) 藤森 勝也, 他.: かぜ症候群後咳噺に対する麦門冬湯と臭化水素酸デキストロメトルファンの効果の比較(パイロット試験). 日本東洋医学雑誌, 4: 725-732, 2001.
  • 3) 礒濱 洋一郎.: 麦門冬湯の咳嗽抑制作用, 漢方医薬学雑誌, 3: 85, 2016.

執筆者

院長 宮本 浩司(みやもと こうじ)

院長 宮本浩司

川崎市・溝の口の心療内科・精神科
高津心音メンタルクリニック
・ 精神保健指定医
・ 日本精神神経学会認定専門医・指導医