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044-455-7500トロント・アレキシサイミア尺度(TAS-20)は、アレキシサイミア(失感情症)の程度を評価するために、世界で最も広く使用されている自己記入式質問票です。
アレキシサイミアとは、自分の感情を認識したり、言葉で表現したりすることが難しい状態を指します。
TASは1985年にトロント大学の研究グループによって開発されましたが、その後、信頼性や妥当性を高めるために改良が重ねられました。
現在では20項目版(TAS-20)が国際的な標準として広く用いられています。
研究だけでなく、精神科、心療内科、神経内科、慢性疼痛外来などでも使用されています。
トロント・アレキシサイミア尺度(TAS-20)は、アレキシサイミアの特徴を3つの側面から評価します1)。
自分が何を感じているのか分からない、怒り・悲しみ・不安などの感情を区別しにくいことを評価します。
自分の気持ちを他人に説明したり、言葉で表現したりすることの難しさを評価します。
感情よりも事実や出来事に意識が向きやすく、想像や空想より現実的・実務的な考え方をする傾向を評価します。
トロント・アレキシサイミア尺度(TAS-20)は20項目で構成されています。
各項目について、自分にどの程度当てはまるかを回答します。
各質問を
・1点:まったく当てはまらない
・2点:あまり当てはまらない
・3点:どちらともいえない
・4点:やや当てはまる
・5点:非常に当てはまる
の5段階で評価します。
一部の項目は逆転採点されます。総得点は20~100点になります。
一般的には次の基準が用いられます2)。
・61点以上:アレキシサイミアが強く疑われる
・52~60点:境界域(可能性あり)
・51点以下:アレキシサイミアではない可能性が高い
この基準はBagbyらが提案し、その後、多くの国で使用されています。
トロント・アレキシサイミア尺度(TAS-20)は、世界中で最も多く研究されているアレキシサイミア尺度です。
多くの研究で、
・高い内的一貫性(Cronbach’s α=0.81)1)
・良好な再検査信頼性
・良好な構成概念妥当性
が確認されています。
また、日本語版についても信頼性・妥当性が報告されています。
トロント・アレキシサイミア尺度(TAS-20)は、
・うつ病
・不安症
・PTSD
・ASD(自閉スペクトラム症)
・ADHD
・統合失調症
・摂食障害
・慢性疼痛
・線維筋痛症
・過敏性腸症候群(IBS)
・てんかん
など、多くの疾患の研究で用いられています。
従来は心身症、精神疾患との関係が報告されていましたが、近年では、慢性疼痛や神経疾患にも関連することが明らかになってきています。
・世界で最も広く使用されているアレキシサイミア評価尺度
・20項目と短時間で実施できる
・信頼性・妥当性が高い
・多くの言語に翻訳され、国際比較が可能
・研究・臨床の両方で広く活用されている
TAS-20は本人が回答するため、自分自身をどの程度客観的に評価できるかによって結果が影響を受ける可能性があります。
TAS-20だけでアレキシサイミアや精神疾患を診断することはできません。
医師による診察や臨床面接、生活歴などを総合して評価する必要があります。
EOT因子は国や文化によって結果が変わりやすいことが報告されており、他の2因子より信頼性がやや低い場合があります。

トロント・アレキシサイミア尺度(TAS-20)は、アレキシサイミア(失感情症)の程度を評価するための世界で最も標準的な自己記入式質問票です。
感情を認識することの困難さ、感情を言葉で表現することの困難さ、外向き思考の3つの側面から評価します。
一方で、トロント・アレキシサイミア尺度(TAS-20)はあくまでもアレキシサイミアの傾向を把握するための尺度であり、診断を確定する検査ではありません。
結果は医師による診察や臨床面接などとあわせて総合的に判断する必要があります。
1)Bagby RM, et al.: The twenty-item Toronto Alexithymia Scale–I. Item selection and cross-validation of the factor structure. J Psychosom Res, 38: 23-32, 1994.
2)Ścigała DK, et al.: Psychometric Properties and Configural Invariance of the Polish – Language Version of the 20-Item Toronto Alexithymia Scale in Non-clinical and Alcohol Addict Persons. Front Psychol, 11:1241, 2020.
