ADHD治療薬の有効性と忍容性の用量反応について

2026.05.21

2026年5月、NourredineらによってADHD治療薬の有効性と忍容性の用量反応の最新の解析が報告されました。

報告では以下の結果でした。

ストラテラ(一般名:アトモキセチン)

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児童思春期では、ストラテラはどの用量が最も有効か今回の研究ではわかりませんでした(図1)。

図1

有害事象による中止のリスクは60mgで高まる結果でした(図2)。

図2

成人では、有効用量の比較解析は行われませんでした。

有害事象による中止のリスクは用量の増量とともに、増加しました(図3)。

図3

インチュニブ(一般名:グアンファシン)

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児童思春期では4mg/日で最大の効果が発揮される結果でした(図4)。

図4

有害作用による中止のリスクは4mgまで用量依存的に増加しました(図5)。

図5

成人では、有効性と忍容性ともに今回の研究では解析されませんでした。

コンサータ(一般名:メチルフェニデート)

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児童思春期では、コンサータは、45mg/日で最大効果に達しました(図6)。

図6

有害事象により中止リスクに用量依存性はありませんでした(図7)。

図7

成人では増量するごとに効果が増加しました。

しかし、50mg以上では、効果の増加量は低下気味でした(図8)。

図8

有害事象による中止率は、用量を増量するごとに有害事象が増加し中止率が増加する結果でした(図9)。

図9

今回の結果からは、インチュニブには、児童思春期では、症状に応じて4mg/日まで増量することが適当と考えられます。

有害事象も増加するため、慎重な経過観察が必要です。

成人においても、症状に応じて4mg/日まで増量することが適当と推察されます。

コンサータは児童思春期では、症状に応じて45mg/日までの増量が適していると考えられます。

成人においても、症状に応じて50mg/日まで増量することが適していると考えられます。

ただし、副作用には十分注意する必要があります。

ミス、不注意等で生活や仕事に支障をきたしている場合は、早めに心療内科・精神科に相談することをおすすめします。

文献

1)Nourredine M, et al.: Pharmacological interventions for ADHD: a systematic review and dose-effect network meta-analysis. Lancet Psychiatry, 13: 485-495, 2026.

執筆者

院長 宮本 浩司(みやもと こうじ)

院長 宮本浩司

川崎市・溝の口の心療内科・精神科
高津心音メンタルクリニック
・ 精神保健指定医
・ 日本精神神経学会認定専門医・指導医

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