初診はお電話でのご予約のみ
044-455-7500全般性不安障害(全般不安症)は日常のありとあらゆることが不安となり、苦痛と生活への支障をきたす疾患です1)。
日本ではもともと「心配性」という言葉や概念がありますが、気にしすぎることや心配の度合いが大きいことを超えて、障がいとして生活や仕事に影響をきたすものです。
人生の早い段階から症状が生じていることが多く2)、小学生の時に翌日の学校が不安で眠れない(特別にテストがあるというわけでなく)、夏休み後半になると胸のざわつきが生じ登校できなくなるなど不登校の要因にもなります。
非常に強い不安が多岐にわたることと、長びくことが特徴です。
それに加え、以下の症状を伴うことがあります1)。
以下の自律神経症状を伴うことがあります3)。
日本では全般性不安障害に保険適応を有している薬剤は現在ありません。
米国、欧州ではSSRIのパロキセチン、エスシタロプラム、SNRIのベンラファキシンが承認されています。
また、欧州ではプレガバリン(先発医薬品名:リリカ)が全般性不安障害に対し、保険承認を得ています(図1)。

一般に薬物治療では、SSRI・SNRIが第一選択肢となりますが、その中でどの薬剤が有効か検討されています。
2020年にKongらは全般性不安障害に対する薬剤の寛解率の比較解析を行い、有効性のランクを報告しています3)。
寛解率に以下の薬剤の順で高い結果でした(図2)。

忍容性はいずれもプラセボと比較し悪い結果で、特にクエチアピンは忍容性が不良でした。
有効性と忍容性を合わせた結果は以下図3となっています。

全般性不安障害ではうつ病の合併が約60%と高いため、今回有効性が認められたベンラファキシン、エスシタロプラム、デュロキセチン、パロキセチンはいずれも第1選択肢として検討されます。
ただし、著者らが考察でのべているように、今回の解析に含まれた試験のほとんどは白人であり、他の人種・民族にすぐさま適用できるものではないことにも留意が必要といえます。
2024年3月、Papolaは全般性不安障害に対する心理療法の有効性の比較解析を報告しました4)。
有効性は以下の順で優れていました(図4)。

ただし、介入後、3か月から12カ月後の不安の重症度に対する治療効果はCBTのみに認められる結果でした。
以上の結果から著者らは、CBTが第1選択として推奨され、短期的な治療効果として第3世代認知行動療法とリラクセーション法も有効であり、推奨されると述べています。
全般性不安障害は生活への支障が高いことに加え、うつ病の合併率が高いため、症状があてはまる方は、早めに心療内科・精神科の受診をおすすめします。
