統合失調症とADHDにおけるまばたき

統合失調症では、未治療時におけるまばたきが増加することが報告されています1)。

このまばたきの増加は、ドパミン阻害作用を有する抗精神病薬の使用で改善するとされています。

一方、定型発達者群では、まばらな視覚刺激でも、一定のまばたきになるところが、ADHD群では、減弱していることが報告されています2)。

まばたき刺激がまばらになると、瞳孔がより縮小することが報告されています(図1)。

図1 ADHDのまばたき刺激による瞳孔拡大

このことは、外部からの社会的手がかりの受け取りが、弱くなっていることを意味していると言えます。

PCゲームのような、刺激が強い状態では、まばたきは減弱せず、瞳孔は散大し、注意が維持されます。

しかし、パワーポイントをゆっくり流す講義のような場では、刺激が弱まり、まばたきがへり、瞳孔も縮小しやくすなり、注意も散漫になりやすくなります。

ADHD当事者が視覚的に注意を維持するには、一定かつ適度な視覚刺激が必要なことがわかります。

参考

  • 1) Nielsen JRW, et al.: Blink rates in patients with schizophrenia compared to healthy controls: A meta-analysis. Schizophr Res, 279:87-93, 2025.
  • 2) Lipschits O, et al.: Automatic neural mechanisms of social synchrony: pupil and Blink responses in adults with ADHD symptoms. J Neural Transm (Vienna), 2025.

執筆者

院長 宮本 浩司(みやもと こうじ)

院長 宮本浩司

川崎市・溝の口の心療内科・精神科
高津心音メンタルクリニック
・ 精神保健指定医
・ 日本精神神経学会認定専門医・指導医