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044-455-75002024年8月、Majiらは、モノアミン再取り込み阻害薬のADHDに対する有効性の比較の解析を行い、結果を報告しています1)。
モノアミン再取り込み阻害とは、セロトニン、ノルアドレナリン、ドパミンのいずれか、または、2種のモノアミン、またはすべてのモノアミンの再取り込みを阻害する薬剤のことです。
抗うつ薬のSSRIが最も有名でセロトニンの再取り込みを阻害し、抗うつ作用を発揮します。
同じく抗うつ薬のSNRIはモノアミンのセロトニンとノルアドレナリン再取り込みを阻害し、抗うつ作用を発揮します。
日本では承認されていない抗うつ薬にノルアドレナリンとドパミンの再取り込みを阻害するNDRIや、セロトニン、ノルアドレナリン、ドパミンの再取り込みを阻害するSNDRIがあります。
米国では、NDRIのブプロピオンなどがADHDの治療にも応用されている現状があります。
日本でもADHDの治療に多く使用されている、アトモキセチン(ストラテラ)はノルアドレナリン再取り込みを阻害作用で効果を発揮します。
このことからも、ADHD治療薬と抗うつ薬の作用が、オーバーラップしていることがわかります。
症状の面からもADHDの注意散漫、注意欠如と抑うつ状態に伴う仕事や勉強等での集中力低下やミスが生じる等は似た側面を持ちます。
そのため、今回の研究は、ADHD治療薬、抗うつ薬という承認上の枠にとらわれず効果のある薬剤を特定するため、非常に有意義なものいえます。
今回の解析では以下の薬剤が解析に含まれました。
プラセボとの比較では以下の順で有効な結果でした(図1)。

(米国ではダソトラリンは開発中止となっているため、図から除いています。)
今回の比較解析に含まれた、AmiriらのベンラファキシンとプラセボのADHD症状に対する比較試験(二重盲検試験)では、いずれもADHD症状の改善に有効でしたが、治療反応をADHD指数の25%低下と定義すると、ベンラファキシンが有意に有効な結果でした2)、(図2)。

ベンラファキシンとメチルフェニデートでは安全性に差のない結果であり、メチルフェニデートまたはそれ以外のADHD治療薬が使用できない場合に、使用が検討できることが今回の解析結果からわかりました。
著者らも、メチルフェニデートが使用できない、または忍容性不良、ノンレスポンダーの場合にベンラファキシンを推奨できると述べています。
日本ではコンサータの処方は登録制であることや、米国と比較し、承認薬が少ないため、従来の薬物治療で難渋している場合はベンラファキシンを試すことができるといえます。
ただし、ADHDでは双極症の併存が多いため、躁転に注意することが必要です3)。
注意維持の低下の背景には、ADHDだけでなく、疲労や過労に伴ううつ症状が根本的な原因となっていることもあり、早めの受診をおすすめします。
ミス、不注意等で生活や仕事に支障をきたしている場合は、早めに心療内科・精神科に相談することをおすすめします。

