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044-455-7500SCT(Sentence Completion Test:文章完成法)は、未完成の文章に続きを自由に書いてもらい、その内容から本人の感情、対人関係、自己像、価値観、葛藤、将来への態度などを理解するための心理検査です。
たとえば「私の父は……」「私が不安になるのは……」のような文章の書き出し(sentence stem)が提示され、受検者が思いつくまま続きを書いて文章を完成させます。
選択肢から答える質問紙とは異なり、回答の自由度が高いことが大きな特徴です。
そのため、本人が普段どのように自分や周囲の人、過去・現在・将来を捉えているかを幅広く理解する手がかりになります。
日本では、精研式SCTと呼ばれる日本で開発された文章完成法が広く用いられています。
SCTは一般に投映法(投影法)に分類される心理検査です。
曖昧で自由度の高い刺激に対する反応から、その人の心理的特徴を理解しようとする点では、ロールシャッハ・テストやTATなどと共通しています。
ただし、SCTは文章の書き出しが与えられるため、ロールシャッハのような非常に曖昧な刺激を使う検査と比べると刺激の構造化の程度が高く、
「半構造化された投映法」
として捉えると特徴を理解しやすいです。
40~60分です。
ただし自由記述式のため個人差があり、厳密な制限時間を設ける検査ではありません。
小学生用、中学生用、高校生・成人用があります。
SCTでは単一の得点を算出して、「○点だから○○である」と判定することが主目的ではありません。
回答全体から、主に以下のような領域を検討します。

また、性格・行動特性だけでなく、知的水準、意欲・活動性、身体・家庭・社会的環境などを含めて全体的に理解する検査とされています。
具体的には以下のような側面が重視されます。

そのため、診断名を決定する検査というより、
「その人をより深く理解するための心理検査」
という位置づけが適切です。
SCTのメリットの一つは、あらかじめ設定された選択肢だけでは捉えにくい、その人独自の考え方や感情を表現できることです。
例えば、同じ「うつ病」という診断であっても、背景には、
など、さまざまな心理的背景があります。
SCTはこうした個人ごとの心理的特徴を理解する手がかりを得られる点に価値があります。
また、文章を書いてもらうため、面接では本人が自発的に話さなかったテーマが回答に現れ、その後の臨床面接を深めるきっかけになる場合もあります。
SCTには自由度の高さというメリットがある反面、それが限界にもなります。
第一に、カットオフ値のある質問法のような明確な合計点で判断する尺度ではないため、解釈に検査者の臨床的判断が入りやすいという問題があります。
第二に、文章を書く能力、年齢、教育歴、文化的背景、その日の心理状態などによって回答が影響されます。
第三に、本人が意識的に回答を調整することも可能です。
また、SCTだけで診断はできません。
SCTの回答から、
「この回答だからうつ病」
「この文章だから発達障害」
「この表現だから特定のパーソナリティ障害」
といった形で精神疾患を確定診断することはできません。
SCTはあくまで心理状態やパーソナリティを理解するための補助的な情報です。
診断では、
を総合して判断します。
したがって、SCTの一つの回答を過度に意味づけるのではなく、回答全体のパターンや臨床面接、他の心理検査と合わせて慎重に解釈することが重要です。
当院のコラムは、一般的な医療情報の提供を目的として掲載しております。コラムの内容に関する個別のご相談やご質問につきましては、診察を行わずに医学的な判断をすることが難しいため、当院に通院されていない方への個別の回答はいたしかねます。何卒ご理解くださいますようお願いいたします。
