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044-455-7500ASRS(Adult ADHD Self-Report Scale)は、成人のADHD(注意欠如・多動症)の症状を本人が自己評価するためのスクリーニング検査です。
成人ADHDでは、「集中できない」、「忘れ物が多い」、「片付けが苦手」、「仕事を最後まで終えられない」、「落ち着きがない」などの症状がみられます。
しかし、これらの症状は本人にとって当たり前になっていることも多く、自覚しにくい場合があります。
ASRSは、そのようなADHDの特徴を簡便に評価するために開発された質問票であり、現在世界中で広く利用されています。
ASRSはどのように作られたのか
ASRSは、世界保健機関(WHO)とKesslerらによる成人ADHD作業グループによって開発されました1)。
質問項目は、アメリカ精神医学会の『精神疾患の診断・統計マニュアル第4版改訂版(DSM-IV-TR)』におけるADHD診断基準に基づいて作成されています。
そのため、成人ADHDのスクリーニング尺度として高い信頼性が報告されています。
ASRSでわかること
ASRSはADHDの可能性を評価するためのスクリーニングツールです。
「ADHDらしい特徴があるかどうか」を調べることはできますが、ASRSのみでADHDと診断することはできません2)。
ADHDの診断には、
・幼少期から症状があったか
・学校生活や仕事に支障があるか
・他の病気で説明できないか
などを含めた専門的な診察が必要です。
ASRSの構成
ASRS-v1.1は18項目で構成され、
・パートA(6項目)
・パートB(12項目)
に分かれています。
各項目について、過去6か月間の状態を以下の5段階で評価します。
パートA(6項目)
パートAは、成人ADHDのスクリーニングに特に有用な質問で構成されています。
質問項目
1. 難しい部分は終わったのに、最後まで仕上げることが困難だったことがありますか。
2. 計画性を要する作業を順序立てることが困難だったことがありますか。
3. 約束や用事を忘れたことがありますか。
4. 集中力を必要とする課題を避けたり先延ばししたりすることがありますか。
5. 長時間座っている際に手足をそわそわ動かすことがありますか。
6. 何かに駆り立てられるように活動的になることがありますか。

結果の見方
パートAでは、各設問ごとに定められたカットオフがあります。
6項目中4項目以上が基準を満たす場合、成人ADHDの可能性が示唆されるとされています。
感度は68.7%、特異度は99.5%と報告されています1)。
ただし、これは診断を意味するものではありません。
パートB(12項目)
パートBは、注意力の問題や衝動性、多動性が日常生活にどの程度影響しているかをより詳しく評価するための補足的な質問群です。
診察では、パートAだけでなくパートBの内容も参考にしながら総合的な評価を行います。
DSM-5版ASRS(ASRS for DSM5)について
ASRS-v1.1は、DSM-5の診断基準と合わせると、DSM-Ⅳ-TRと比較し、感度と特異度がやや低下することが示されています3)。
そのため、Ustun, Kesslerらは、2017年にDSM-5に準拠したASRSを発表しています4)。
感度91.4%、特異度96%と報告されています。
質問は以下の6問から構成されています。
1. 直接話しかけられているにもかかわらず、その内容に集中することが困難だと感じることはありますか。
2. 会議といった着席すべき場面で離席してしまうことはありますか。
3. 余暇にくつろいだり、リラックスして過ごすことが、難しいと感じることはありますか。
4. 誰かと会話しているとき、相手の話がまだ終わっていないのに、途中で割り込んで相手の話を終わらせてしまうこ とはありますか。
5. ぎりぎりまで物事を先延ばしにすることはありますか。
6. 日常生活を円滑に送るために誰かに依存することはありますか。

最高得点は25点で、カットオフは14点です。
ASRSで陽性ならADHDなのか?
ASRSで陽性となっても、必ずしもADHDとは限りません。例えば、
- うつ病
- 不安症
- 双極症
- 睡眠障害
- ストレス
- 認知機能の低下
などでも、ADHDに似た症状がみられることがあります。
逆に、ADHDであってもASRSのみでは十分に検出できない場合があります。
そのため、ASRSはあくまで「受診の参考となるセルフチェック」と考えることが大切です。
このような方は専門医への相談をおすすめします。
・子どもの頃から忘れ物や不注意が多かった
・仕事でミスが繰り返される
・締め切り管理が苦手
・片付けや整理整頓が極端に苦手
・衝動的な発言や行動で困ることが多い
・ASRSで複数の項目が陽性になった
これらに当てはまる場合は、成人ADHDの可能性も含めて専門医に相談することをおすすめします。
参考
