公開日 2024.9.2
2024年8月、抗うつ薬による体重変化の最新の研究が報告されました1)。
研究では、セルトラリンを基準とした際の、以下8剤の体重変化が比較されました。
- シタロプラム(日本未承認薬)
- エスシタロプラム(レクサプロ)
- フルオキセチン(日本未承認薬)
- パロキセチン(パキシル)
- ブプロピオン(日本未承認薬)
- デュロキセチン(サインバック)
- ベンラファキシン(イフェクサーSR)
内服開始6カ月後の体重変化の結果は、以下の結果でした(図1)。
- シタロプラム:+0.12kg
- エスシタロプラム:+0.41kg
- フルオキセチン:-0.07kg
- パロキセチン:+0.37kg
- ブプロピオン:-0.22kg
- デュロキセチン:+0.34kg
- ベンラファキシン:+0.17kg
図1 セルトラリンを基準とした際の各抗うつ薬の体重変化(6カ月後)
エスシタロプラム、パロキセチン、デュロキセチンを内服している患者さんは、セルトラリンを内服している患者よりも0.3~0.4kg多く体重が増加し、もともとの体重より少なくとも5%体重が増加する可能性が、10%~15%高くなる結果でした。
以上の結果を踏まえ、著者らは、特に肥満とうつが関連している際の、抗うつ薬の医師と患者間での決定では、これらの違いが考慮されうると述べています。
ただし、例えばエスシタロプラムはうつ病、パニック症、PMDD等への有効性と忍容性が良好な薬剤です2)~4)。
50kgのベース体重が2.5kg増加するリスクがあっても食事と運動で十分減量可能であり、疾患対象への有効性と忍容性も十分考慮されるべきと考えられます。
参考
- 1) Petimar et al.: Medication-Induced Weight Change Across Common Antidepressant Treatments: A Target Trial Emulation Study. Ann Intern Med, 177: 993-1003, 2024.
- 2) Cipriani A, et al.: Comparative efficacy and acceptability of 21 antidepressant drugs for the acute treatment of adults with major depressive disorder: a systematic review and network meta-analysis. Lancet, 391: 1357-1366, 2018.
- 3) Chawla N, et al.: Drug treatment for panic disorder with or without agoraphobia: systematic review and network meta-analysis of randomised controlled trials. BMJ, 376: e066084, 2022.
- 4) Jespersen C, et al.: Selective serotonin reuptake inhibitors for premenstrual syndrome and premenstrual dysphoric disorder. Cochrane Database Syst Rev, 8: CD001396, 2024.
- 頭が働かない
- 寝つきが悪い
- やる気が起きない
- 不安で落ち着かない
- 朝寝坊が多い
- 人の視線が気になる
- 職場に行くと体調が悪くなる
- 電車やバスに乗ると息苦しくなる
- うつ病
- 強迫性障害
- 頭痛
- 睡眠障害
- 社会不安障害
- PMDD(月経前不快気分障害)
- パニック障害
- 適応障害
- 過敏性腸症候群
- 心身症
- 心的外傷後ストレス障害
- 身体表現性障害
- 発達障害
- ADHD(注意欠如・多動症)
- 気象病・天気痛
- テクノストレス
- バーンアウト症候群
- ペットロス(症候群)
- 更年期障害
- 自律神経失調症