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044-455-7500BDI-II(Beck Depression Inventory-II:ベック抑うつ質問票第2版)は、抑うつ症状の重症度を評価する21項目の自己記入式尺度です。
初代BDIは1961年にAaron T. Beckらによって開発されました。
その後、DSM-IVの大うつ病エピソードの診断基準との整合性を高めるため大幅に改訂され、Aaron T. Beck、Robert A. Steer、Gregory K. Brownによって1996年にBDI-IIが作成されました。
日本では小嶋雅代・古川壽亮らによって日本語版が作成・検証され、2003年に日本版が発行されています。
約5~10分です。
13~80歳です。
ただし、13歳から使用可能=成人とまったく同じように得点を解釈してよいという意味ではありません。
日本人大学生953人を対象とした研究では、日本版BDI-IIは高い信頼性を示した一方、大学生では成人より得点が高く出やすい可能性が指摘されています。
年齢や対象集団を考慮して解釈することが重要です。
BDI-IIは単に「気分が落ち込んでいるか」だけを評価するものではありません。
抑うつに伴う認知、感情、身体・行動面の症状を幅広く評価します。
たとえば概念的には、
などの領域を扱います。
各項目について、症状の程度を0~3点で評価します。
21項目なので、
最低0点 ~ 最高63点 となります。
基本的には得点が高いほど抑うつ症状が強いと解釈します。
一般的に示される重症度の目安は次のようになります。

ただし、これは抑うつ症状の重症度区分です。
たとえば、
「BDI-IIが20点だから大うつ病性障害である」
という診断はできません。
BDI-IIは診断そのものではなく、本人が感じている抑うつ症状の強さを定量化する尺度だからです。
PHQ-9などと比較したときのBDI-Ⅱの特徴の一つが、抑うつに伴う認知的な側面を比較的細かく評価することです。
たとえば、
などです。
一方で、
などの身体・感情的側面も評価します。
日本語版の因子分析でも、
という2因子構造が確認され、原版とほぼ同じ構造が示されています1)。
日本語版BDI-IIでは
内的一貫性:Cronbach’s α = 0.871)
CES-Dとの相関:r = 0.69(p < 0.001)1)
信頼性・妥当性が検証された尺度と考えられます。
メタ解析による研究では、カットオフ値は14.5点で、感度:0.86、特異度:0.78とされています2)。
ただし、臨床の場で変えた方が良いとされ、
精神科では、カットオフ値:≧19
プライマー・健常者では、カットオフ値:≧13
で抑うつの可能性 と判断するのが妥当とされています。
PHQ-9とBDI-IIはどちらも過去2週間を評価しますが、目的や構成には少し違いがあります。

簡単にいうと、
PHQ-9は短く、うつ病の主要症状に沿って評価しやすい。
BDI-IIは21項目あり、抑うつに伴う認知的・感情的・身体的症状をより幅広く評価する。
という違いがあります。
BDI-IIには、5~10分程度で実施できる、自己記入式である、抑うつ症状を幅広く評価できる、重症度を数値化できる、治療前後の症状変化を追跡できるといった利点があります。
日本版についても心理測定学的な妥当性が確認されています。
特に治療経過では、
治療開始前 → BDI-II
↓
治療
↓
数週間後 → BDI-II再評価
というように同じ尺度を繰り返すことで、患者さん自身が感じている症状の変化を定量的に把握できます。
一方で重要な限界があります。
第一に、自己評価尺度なので、本人の自己認識や回答傾向の影響を受けます。
第二に、睡眠、食欲、疲労などの身体症状を含むため、身体疾患や睡眠障害などによって得点が上昇する可能性があります。
第三に、BDI-IIだけでは大うつ病性障害と双極症の抑うつ状態を鑑別できません。
そして最も重要なのは、
BDI-IIは「うつ病を診断する検査」ではない
ということです。
高得点であっても、それだけでうつ病と診断することはできません。診断には症状の経過、生活への影響、躁・軽躁エピソードの有無、身体疾患、薬剤、その他の精神疾患などを総合的に評価する必要があります。
BDI-II(Beck Depression Inventory-II:ベック抑うつ質問票第2版)は、抑うつ症状の程度を評価するために広く使用されている21項目の自己記入式尺度です。
過去2週間の状態について、認知面・感情面・身体面にわたる抑うつ症状を0~3点で評価し、合計得点は0~63点となります。得点が高いほど、抑うつ症状が強いことを示します。
BDI-IIの特徴は、悲観的な考えや自己評価、罪責感などの認知的な症状から、睡眠、食欲、疲労などの身体的な症状まで幅広く評価できることです。
ただし、BDI-IIはあくまで抑うつ症状の重症度を把握するための尺度であり、得点だけでうつ病を確定診断することはできません。
診断には、症状の経過や生活への影響、他の精神疾患・身体疾患などを含めた医師による総合的な評価が必要です。
・1)Kojima M, et al.: Cross-cultural validation of the Beck Depression Inventory-II in Japan. Psychiatry Res, 110: 291-9, 2002.
・2)von Glischinski M, et al.: How depressed is “depressed”? A systematic review and diagnostic meta-analysis of optimal cut points for the Beck Depression Inventory revised (BDI-II). Qual Life Res, 28: 1111-1118, 2019.
