公開日 2024.10.31
チック症は強迫症やADHDに併存しやすいことが知られています1)。
薬物治療ではチックとADHDの両者を考慮した薬剤選択が求められます。
α2作動薬(インチュニブ、カタプレス)はチックとADHD双方に効果があるとされています2)。
一方、コンサータはチックを悪化させる可能性があり、使用禁となっています。
このような中、2024年9月、児童思春期における、チック症併存ADHDに対するADHD治療薬の有効性の比較が報告されました3)。
報告ではチック症状の改善では、以下の薬剤クラスが有効でした(図1)。
- α2作動薬「グアンファシン(インチュニブ)、クロニジン(カタプレス)」
- 中枢刺激薬「デキストロアンフェタミン(日本未承認)、メチルフェニデート(コンサータ)」+α2作動薬
図1 チック併存ADHDに対するADHD治療薬の有効性の比較:チック症状
ADHD症状の改善では、以下の薬剤クラスが有効でした(図2)。
- α2作動薬
- 中枢刺激薬+α2作動薬
- 中枢刺激薬
図2 チック併存ADHDに対するADHD治療薬の有効性の比較:ADHD症状
中枢刺激薬はチックを悪化させる結果は示されませんでした。
これらの結果から、チック症とADHDの併存ではα2作動薬(インチュニブ)から治療開始することが望ましいと言えそうです。
(カタプレスは現在、出荷停止中となっています。)
参考
- 1) Yang Z, et al.: Investigating Shared Genetic Basis Across Tourette Syndrome and Comorbid Neurodevelopmental Disorders Along the Impulsivity-Compulsivity Spectrum. Biol Psychiatry, 90: 317-327, 2021.
- 2) Roessner V, et al.: European clinical guidelines for Tourette syndrome and other tic disorders-version 2.0. Part III: pharmacological treatment. Eur Child Adolesc Psychiatry, 31: 425-441, 2022.
- 3) Farhat LC, et al.: Pharmacological Interventions for Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder in Children and Adolescents with Tourette Disorder: A Systematic Review and Network Meta-Analysis. J Child Adolesc Psychopharmacol, 2024.
- 頭が働かない
- 寝つきが悪い
- やる気が起きない
- 不安で落ち着かない
- 朝寝坊が多い
- 人の視線が気になる
- 職場に行くと体調が悪くなる
- 電車やバスに乗ると息苦しくなる
- うつ病
- 強迫性障害
- 頭痛
- 睡眠障害
- 社会不安障害
- PMDD(月経前不快気分障害)
- パニック障害
- 適応障害
- 過敏性腸症候群
- 心身症
- 心的外傷後ストレス障害
- 身体表現性障害
- 発達障害
- ADHD(注意欠如・多動症)
- 気象病・天気痛
- テクノストレス
- バーンアウト症候群
- ペットロス(症候群)
- 更年期障害
- 自律神経失調症