公開日 2023.7.19
作用・特徴
クロチアゼパム(先発医薬品:リーゼ)は作用の穏やかな抗不安薬です1)。
眠気やふらつきが生じにくい特徴があります。
クロチアゼパムの作用を強化したものが、エチゾラム(先発医薬品:デパス)です1)、2)、(図1、2)。
図1 クロチアゼパム(リーゼ)とエチゾラム(デパス)の化学構造式
図2 クロチアゼパム(リーゼ)とエチゾラム(デパス)の作用の強さの比較
剤型
剤型は錠剤が5mg錠と10mg錠があります(図3)。
細粒もあります。
図3 クロチアゼパム(先発医薬品:リーゼ)の剤型(錠剤)
効能・効果
保険承認における効能・効果は以下となっています。
- 心身症(消化器疾患、循環器疾患)における身体症候ならびに不安・緊張・心気・抑うつ・ 睡眠障害
- 下記疾患におけるめまい・肩こり・食欲不振
自律神経失調症 - 麻酔前投薬
用法・用量
用量は、通常成人では、1日15~30mgを1日3回に分けて内服します。
麻酔前投薬の場合は、就寝前または手術前に10~15mgを内服します。
薬物動態
1日1回5mg及び10mgを内服した際は血液中の濃度は約1時間で最高濃度に達し、それぞれ6.3時間及び5.8時間後に半分に下がります(図4)。
図4 クロチアゼパム(リーゼ)を1回内服した際の血中濃度の推移
肝臓でCYP2B6、CYP3A4、CYP2C18、CYP2C19により代謝されます3)、(図5)。
図5 クロチアゼパム(リーゼ)の代謝における各CYP活性
副作用
総症例数 14,032例中 692例(4.93%)に副作用が報告されており、主な副作用は以下でした。
- 眠気 390件(2.78%)
- ふらつき 109件(0.78%)
- 倦怠感 57件(0.41%)
エチゾラムとの副作用発現の比較では、エチゾラムと比較して、クロチアゼパムの副作用発現率は約2分の1であることが報告されています。
特に神経系、精神系に対する副作用は、クロチアゼパムの方が発現率が低く、依存・耐性の問題は同じくあるものの、エチゾラムより安全性が高いことがわかっています4)、(図6)。
図6 クロチアゼパム(リーゼ)とエチゾラム(デパス)の副作用の比較
おひとりで悩んでいませんか?
不安症状がある場合は、我慢せずに心療内科・精神科に受診することをおすすめします。
まずはかかりつけ内科等で相談するもの1つの方法です。
まずはかかりつけ内科等で相談するもの1つの方法です。
文献
- 1) Nakanishi M, et al. : Studies on psychotropic drugs. XIX. Psychopharmacological studies of 1-methyl-5-o-chlorophenyl-7-ethyl-1,2-dihydro-3H-thieno(2,3-e)(1,4)diazepin-2-one (Y-6047). Arzneimittelforschung, 22 : 1905-14, 1972.
- 2) Nakanishi M, et al. : Pharmacological profile of 6-o-chloropkfnyl-8-ethyl-1-methyl-4H-s-triazolo[3,2-c]thieno[2,3-e] [1,4]diazepine (Y-7131). Japanese Journal of Pharmacology, 24 : 113, 1974.
- 3) Niwa T, et al. : Contribution of human hepatic cytochrome p450 isoforms to the metabolism of psychotropic drugs. Biol Pharm Bull, 28 : 1711-6, 2005.
- 4) 金子 俊郎, 土橋 洋史. : クロチアゼパムとエチゾラムの有効性・安全性および経済性の比較検討. 医学と薬学, 66 : 949-954, 2011.
- 頭が働かない
- 寝つきが悪い
- やる気が起きない
- 不安で落ち着かない
- 朝寝坊が多い
- 人の視線が気になる
- 職場に行くと体調が悪くなる
- 電車やバスに乗ると息苦しくなる
- うつ病
- 強迫性障害
- 頭痛
- 睡眠障害
- 社会不安障害
- PMDD(月経前不快気分障害)
- パニック障害
- 適応障害
- 過敏性腸症候群
- 心身症
- 心的外傷後ストレス障害
- 身体表現性障害
- 発達障害
- ADHD(注意欠如・多動症)
- 気象病・天気痛
- テクノストレス
- バーンアウト症候群
- ペットロス(症候群)
- 更年期障害
- 自律神経失調症