川崎市高津区溝の口の心療内科・精神科 高津心音メンタルクリニック

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精神科薬と飲み合わせの良い花粉症治療薬
【ビラノア】について

公開日 2025.3.17

作用・特徴

ビラノア(一般名:ビラスチン)は、以下の優れた特徴を有した抗アレルギー剤です。

  • 眠気が少ない(ほぼない)
  • 薬の飲み合わせの影響が少ない
  • 即効性がある

向精神薬も、抗アレルギー剤も脳内のヒスタミンH1受容体をブロック(占有)すると眠気をきたす原因となります。(向精神薬はそれ以外の受容体も原因となります。)

ビラスチンは脳内のヒスタミンH1受容体を占有せず、最も眠気が少ないとされています1)、(図1)。

図1 抗アレルギー剤及びクエチアピン・オランザピン・ミルタザピンのヒスタミンH1受容体占有率

抗アレルギー剤及びクエチアピン・オランザピン・ミルタザピンのヒスタミンH1受容体占有率

薬剤により脳内のヒスタミン受容体占有率が高まると、眠気が増すだけでなく、てんかん発作やけいれんのリスクも高まります。

向精神薬では抗ヒスタミン作用を有する薬剤が多くあるために、なるべく抗ヒスタミン作用の少ない薬剤の選択が有用です。

眠気の少ない抗アレルギー剤は作用が弱いとの誤解がもたれることがありますが、眠気と作用に関連性はありません。

ビラノアは他の第2世代抗アレルギー剤と同等の効果を有することが示されています3)。

また、ビラノアは薬物代謝酵素のCYPに影響せず、精神科薬の濃度を上昇させたり、低下させることがありません。

そのため、精神科治療薬を内服している当事者にとって、より安全性が高いと言えます。

ビラスチンの抗ヒスタミン作用は即効性があることが示されています4)。

ヒスタミン誘発性の膨疹を内服30分後に薬78%改善することが報告されています。

アレルギー性鼻炎においても、内服初日から効果が得られることが示されています(図2)。

図2 ビラノアの花粉症に対する即効性(アレルギー性鼻炎症状)

ビラノアの花粉症に対する即効性(アレルギー性鼻炎症状)

剤型

剤型は錠剤20mg錠と口腔内崩壊錠(OD)20mg錠があります(図3)。

図3 ビラノアの剤型

ビラノアの剤型

効能・効果

保険承認における効能・効果は以下となっています。

  • アレルギー性鼻炎
  • 蕁麻疹
  • 皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症)に伴うそう痒

用法・用量

通常、1回20mgを1日1回空腹時に内服するとなっています。

薬物動態

ビラノアを空腹時に1回内服した際は、血液中の濃度は、約1時間で最高濃度に達し、約10時間半で半減します(図4)。

図4 ビラノアを単回内服した際の血中濃度の推移

ビラノアを単回内服した際の血中濃度の推移

ビラノアは食後に内服すると、空腹時内服と比較し、血中濃度が大きく低下します(図5)。

図5 空腹時及び食後内服におけるビラノアの血中濃度の推移

空腹時及び食後内服におけるビラノアの血中濃度の推移

副作用

国内臨床第Ⅱ/Ⅲ相及び第Ⅲ相試験の4試験で、675例中16例(2.4%)に副作用が報告され、主な副作用は、眠気4例(0.6%)、口渇及び頭痛が各2例(0.3%)でした。

参考

  • 1)Yanai K, et al. : Histamine H1 Receptor Occupancy in the Human Brain Measured by Positron Emission Tomography. Histamine Receptors, volume 28, 2016.
  • 2)Lucero ML, et al.: An overview of bilastine metabolism during preclinical investigations. Drug Chem Toxicol, 1:18-24, 2012.
  • 3)Singh Randhawa A, et al.: Efficacy and Safety of Bilastine in the Treatment of Allergic Rhinitis: A Systematic Review and Meta-analysis. Front Pharmacol, 12:731201, 2022.
  • 4)Coimbra J, et al.: Comparative inhibition by oral bilastine, parenteral dexchlorpheniramine, and a new bilastine parenteral (i.v. and i.m.) formulation of histamine-induced wheal and flare response: A randomised phase I trial. Eur J Pharm Sci, 203:106900, 2024.

執筆者:高津心音メンタルクリニック 院長 宮本浩司

  • 精神保健指定医
  • 日本精神神経学会認定専門医・指導医

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