公開日 2020.4.14
それぞれのかかっている人の割合
乗り物酔いの有病率は男性13.4%、女性25.2%と報告されています(野田, 2010)。
片頭痛の有病率は男性3.6%、女性12.9%、30代の女性では20%に及ぶことが報告されています(Sakai F, Igarashi H, 1997)。
乗り物酔いと片頭痛の関連
多くの方が罹患しているこの二つの疾患には関連性があることがわかっています。
子どもの片頭痛患者の約半数は乗り物酔いがあり(Barajas Gら 1983)、成人の片頭痛患者の約4分の3に乗り物酔いがあると報告されています(Baloh, 1997)。
また乗り物酔いのある子どもはその後、乗り物酔いの無い子どもと比べ4倍片頭痛になりやすいという報告も見られます(Jann MM, 1998)。
いずれの疾患も耳の前庭器官、脳血管、セロトニンなどの機能異常が共通して存在していることが示唆されています(Cumo -Granston Aら2010)。
肩コリ、首コリから生じる頭痛が緊張型頭痛とは限りません。
片頭痛の予兆症状としても肩コリ、首コリが見られるからです。
月経時(または月経前)に悪化する、雨天時に悪化する、過眠した日に症状がでやすい。これに加え乗り物酔いがある、子どもの時乗り物酔いがあったならば片頭痛の可能性が高く、緊張型頭痛との鑑別に役立ちます。
女性では乗り物酔いも月経時に悪化しやすいことがわかっています(J.F.Goldingsら 2005)。
痛み止め使用の方は注意が必要
痛み止め(ロキソニン、バファリンなど)を使う回数が多い場合、予防療法を行うことが望ましいです。
薬物乱用頭痛
薬物乱用頭痛と呼ばれる状態になり、痛み止めが効きにくく、ますます片頭痛が起こりやすくなります。
この状態が続くと年齢を経てから片頭痛が減っても耳鳴りやめまいが生じることがあります。
このめまいは片頭痛関連めまいと呼ばれ通常のめまいと異なる治療が必要です。
症状が出そうなときに、適したお薬で予防をしましょう
毎日行う予防療法とは別に予兆時(肩コリ、首コリ、生あくび、光過敏などの症状が出た時)に乗り物酔いにも使う抗めまい薬を使用し、その都度行う予防療法も有効であることが報告されています(郭, 2018)。
乗り物酔いと片頭痛がある場合、乗り物酔いを契機に片頭痛も誘発されやすくなります(Drummond PD, 2005)。
そのため、乗り物酔いと片頭痛の両方ある場合、酔いやすい乗り物に乗る時や長時間の旅行ではしっかりとした乗り物酔い予防が必要です。
まとめ
- 乗り物酔いと片頭痛は病気である(病気として治療の対象である)
- 乗り物酔いと片頭痛には関連性がある
- 乗り物酔いと片頭痛の両方を罹患している場合、乗り物酔い予防・対策が重要である
- 頭が働かない
- 寝つきが悪い
- やる気が起きない
- 不安で落ち着かない
- 朝寝坊が多い
- 人の視線が気になる
- 職場に行くと体調が悪くなる
- 電車やバスに乗ると息苦しくなる
- うつ病
- 強迫性障害
- 頭痛
- 睡眠障害
- 社会不安障害
- PMDD(月経前不快気分障害)
- パニック障害
- 適応障害
- 過敏性腸症候群
- 心身症
- 心的外傷後ストレス障害
- 身体表現性障害
- 発達障害
- ADHD(注意欠如・多動症)
- 気象病・天気痛
- テクノストレス
- バーンアウト症候群
- ペットロス(症候群)
- 更年期障害
- 自律神経失調症