公開日 2025.04.07
高血圧患者における、うつ病の有病率は26.8%と高いことが報告されています1)。
また、不安やストレスは、高血圧の誘因となることが報告されています2)、3)。
そのため、高血圧患者においては、うつ病発症の予防や、すでにうつ病を発症している場合には、降圧薬の選択を含めた慎重な治療が必要とされています。
降圧薬には主に以下のジャンルがあります。
- アンギオテンシン変換酵素阻害薬(ACE-I)・アンギオテンシン受容体拮抗薬(ARB)
- βブロッカー
- カルシウム拮抗薬
- 利尿薬
従来、βブロッカーは抑うつ症状が生じるリスクが示唆されていましたが、解析の報告は一貫していませんでした。
2025年3月、Tewariらは、降圧薬の使用とうつ病のリスクとの関連について解析し、報告しています4)。
報告では、アンギオテンシン変換酵素阻害薬(ACE-I)、アンギオテンシン受容体拮抗薬(ARB)、利尿薬に有意なリスクはみられない結果でした。
一方、βブロッカーでは高い関連性があり、それに次いで、カルシウム拮抗薬もリスクがみられる結果でした(図1)。
図1 降圧薬の使用とうつ病発症の関連
日本では、アンギオテンシン変換酵素阻害薬(ACE-I)、アンギオテンシン受容体拮抗薬、カルシウム拮抗薬での治療が多い現状です。
そのため、カルシウム拮抗薬で治療中の場合は、βブロッカー同様に注意深い観察が必要といえそうです。
内科薬等の精神疾患副作用が気になる場合は、通院中の精神科・心療内科でご相談することをおすすめします。
参考
- 1) Li Z, et al.: Prevalence of Depression in Patients With Hypertension: A Systematic Review and Meta-Analysis. Medicine (Baltimore), 94: e1317, 2015.
- 2) Lim LF, et al.: Association between anxiety and hypertension in adults: A systematic review and meta-analysis. Neurosci Biobehav Rev, 131:96-119, 2021.
- 3) Liu MY, et al.: Association between psychosocial stress and hypertension: a systematic review and meta-analysis. Neurol Res, 39: 573-580, 2017.
- 4) Tewari J, et al.: Association between antihypertensive drug use and the risk of depression: a systematic review and network meta-analysis. J Hum Hypertens, 2025.
- 頭が働かない
- 寝つきが悪い
- やる気が起きない
- 不安で落ち着かない
- 朝寝坊が多い
- 人の視線が気になる
- 職場に行くと体調が悪くなる
- 電車やバスに乗ると息苦しくなる
- うつ病
- 強迫性障害
- 頭痛
- 睡眠障害
- 社会不安障害
- PMDD(月経前不快気分障害)
- パニック障害
- 適応障害
- 過敏性腸症候群
- 心身症
- 心的外傷後ストレス障害
- 身体表現性障害
- 発達障害
- ADHD(注意欠如・多動症)
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- テクノストレス
- バーンアウト症候群
- ペットロス(症候群)
- 更年期障害
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