ナルティーク(リメゲパント)の特徴・作用・副作用

2025.10.16

ナルティークの効果・作用は?

2025年9月、新しい片頭痛の治療薬のナルティーク(リメゲパント)が承認され、12月から発売となりました。

ナルティークは、片頭痛の急な痛みと痛みの予防の両方に効果のある薬です。

経口低分子カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP:calcitonin gene-related peptide) 受容体拮抗薬です。

三叉神経が興奮すると、三叉神経からCGRPが放出されます(図1)。

図1

三叉神経からのCGRPの放出

そして、放出されたCGRPはCGRP受容体に結合し、血管拡張、炎症、疼痛を引き起こします(図2)。

図2

その結果、激しい痛みが生じます(図3)。

図3

三叉神経から放出されたCGRPによる片頭痛の惹起

ナルティークは、CGRPがCGRP受容体に結合すること阻害します。

そして、以下の作用で片頭痛の痛みの緩和、予防を行います(図4)。

  • CGRPにより誘発される血管拡張の阻害(頭蓋内血管の正常化)
  • CGRPにより誘発される神経原性炎症のカスケード(末梢及び中枢性感作)の遮断
  • 三叉神経から三叉神経脊髄路核へ 至る疼痛のシグナル伝達の阻害

図4

ナルティーク 作用機序

ナルティークの効能・効果は?

効能・効果は「片頭痛発作の急性期治療及び発症抑制」となっています。

ナルティークの飲み方は?

片頭痛発作の急性期治療

片頭痛発作時には、ナルティークを1回1錠頓服します。

1日の服用量は1錠(75 mg)までで、同日に追加服用はできません。

症状が現れたら、できるだけ早いタイミングで服用することが推奨されています。

片頭痛発作の発症抑制(図5)

片頭痛発作の発症抑制には、ナルティークを、片頭痛の発症を抑える目的で隔日に1回1錠服用します。

発症抑制のためにナルティークを服用する日に片頭痛発作が出現した場合

① すでにその日のナルティークを服用している場合

その日は急性期治療としてナルティークを追加で服用することはできません。

ナルティークは、1日の最大投与量が75 mg(1錠)であるため、同日に追加投与はできません。

② まだその日のナルティークを服用していない場合

片頭痛発作が起こった時点で、急性期治療としてナルティークを1錠服用することができます。

ただし、その日に発症抑制目的で追加して服用することはできません。

翌日以降は、予定どおり隔日服用を継続してください。

発症抑制のためにナルティークを服用しない日に片頭痛発作が出現した場合

急性期治療として、ナルティークを1回1錠服用することができます。

その場合も、1日の服用量は75 mg(1錠)までです。

また、翌日以降は、予定どおり発症抑制のための隔日服用を継続してください。

図5

ナルティークの急性期治療と発症抑制の使い方

ナルティークを予防薬として使用しながら、トリプタン製剤レイボーを併用することも可能です。

ナルティークの剤型は?

剤型は、口腔内崩壊錠75mgです(図6)。

図6

ナルティーク 剤型

ナルティークの薬物動態は?

ナルティーク75mgを内服した際の血中濃度は、約1.75時間後に最高濃度に達します(図7)。

その後、約11時間で血中濃度は半減します。

図7

ナルティークを1回内服した際の血中濃度の推移

ナルティークは主にCYP3A4 及び程度は低いが CYP2C9 を介して代謝されます。

ナルティークの副作用は?

1%以上の副作用は便秘のみでした。

ナルティークの薬価(値段)は?

ナルティークの薬価(値段)は、約2923円です。

  • 3割負担:約880円
  • 1割負担:約290円

となります。

おわりに

片頭痛の急性期治療と予防治療は薬剤が異なっています。

そのため、なかなか予防治療がつづかず、ついついロキソニンやイブプロフェン等をのみすぎて、薬剤使用の過多による頭痛も併存している労働者や主婦の方が多いのが実情です。

ナルティークは、1剤で急性期治療と予防治療ができます。

これにより、急性期治療のみならず、薬剤使用の過多による頭痛を抑制することも可能であり、効果的な治療薬といえます。

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執筆者

院長 宮本 浩司(みやもと こうじ)

院長 宮本浩司

川崎市・溝の口の心療内科・精神科
高津心音メンタルクリニック
・ 精神保健指定医
・ 日本精神神経学会認定専門医・指導医